燕子花/杜若(かきつばた)の生け方

子花/杜若の本質
  アヤメ科の多年生水草。池、沢など水辺に生える。地中に長い根茎を持ち葉は剣状で淡緑色、
  葉脈を持っていない。葉の中央から茎を出し紫色、白色などの花が咲く。花は二層の花被
  を有し、その外側は大形で下垂れしており、内側は小形で狭長で尖っている。
  葉は早春に芽を出し、互いに向き合いながら一枚ずつ数枚の葉をもつ。後で出てくる葉ほど
  長く、その長さは数十センチ程になる。中央には絶えず幼芽(芽出し葉)を発生し、葉は互い
  に切れ込んでおり、互いに抱き合っている。また、葉の先端(爪)は内に向かい合う。
  茎の先端に二葉からなる葉鞘を持っており、その中に花の莟がある。この葉鞘の一つは莟の
  発育に伴い伸びて莟に冠をつけた様なので冠葉という。

開花・莟について
  早春二・三月頃には昨年に出遅れた花が低く咲く、これを珍花という。その後、花、葉とも
  完全なものになってくるが、花は葉よりも低く咲き、中春頃から開花が盛んとなり、一年中
  で一番花を多くつける時期となるが、まだ花は葉よりも低い。一度花は無くなり、その後、
  夏の中ごろから再び開花を始め、葉よりも花の茎の方が上に伸び、秋風の吹く頃になると茎
  が縮み、晩秋に成ると花が葉に隠れて咲くようになる。
  夏から秋にかけて垂れた葉が出来るので挿ける時もその様に挿ける。また、葉先が枯れたも
  のも出来る。

挿し方