障害を持つ人への見方を変える

レーナマリアさん・安達厳さん・乙武洋匡さんの生き方から
「障害者はかわいそう」という考えを変える
障害は決して不幸ではないと言うことが、子どもの心にもずっしり伝わる実践

　　森　美穂（miho@intsurf.ne.jp）

指示　　この音楽を聴いてください。

ＣＤ「Ｈｅａｒｔｆｉｌｌｅｄ」から、１曲目「Ｋｏｐｐａｎｇｅｎ」をかける。

発問　　聴いてどう思いますか。

簡単に一人ずつ聞いていく。
　・きれいな声だなあ　　・上手だ　など

説明　　この歌を歌っているのは、この人です。

　レーナマリアさんの写真を映す（顔だけ）。

説明　彼女はレーナ・マリアさんと言います。
　　　　スウェーデン生まれのゴスペルシンガーで、世界中を周り、コンサート活動を行っています。

指示　　では、この写真を見てください。（全身の写真）
　　　　　こちらはレーナさんの子どもの時の写真です。　（子どもの頃の写真）　　　　

指示　　この写真を見て、気がついたことや思ったことをノートに書いてみましょう。

何人かに発表させる。
・手がない　　・腕がない　　・なんで手がないんだろう

説明　　レーナさんは生まれつき両腕がないのです。
　　　　　両腕がないレーナさんを見て、どう思いますか？

・かわいそう　　・大変だ　　　・どうやって生活するんだろう　　

発問　　レーナさんは、かわいそうだと思う人？

挙手させて確認

発問　　レーナさんは、不幸だと思う人？ノートに○を書きなさい。
　　　　　不幸ではないと思う人は×を書きなさい。
　　　　　そしてその理由も書きましょう。「不幸だ」　

挙手させて確認。
・不幸だ　　腕がないと生活できないから　　やりたいことができないから　　運動できないから
・不幸ではない　　腕が無くてもみんなに助けてもらえるから　　笑っていたから

発問　　では、みんなにできて、レーナさんにはできないだろうと思うことをノートに書きましょう。

「３つ書けたらもってらっしゃい」といって、持ってきた子から黒板に書かせる。
・ごはんを食べる　・スポーツ　・服が着られない　・車の運転ができない　・字が書けない　

説明　　では、レーナさんがどんな生活をしているか、ＨＰを見て確かめてみましょう。

レーナマリアフットノート　ＨＰ（http://www.shogakukan.co.jp/main/lena/lena2.html）を
順番に見せていく。

説明　　みんなが言ったことは、ほとんどレーナさんは自分でできるんですね。

発問　　このことを知って、どう思いますか。ノートに書きましょう。

何人かに発表させる。

指示　　では、次にこんな絵を見てください。

安達厳さんの絵を何枚か見せていく。

発問　　この絵を見て、どう思いますか。

順番に聞いていく。
・きれい　・上手　・すごい

説明　　この絵は　安達厳さんという人が描いた絵です。（写真提示）
　　　　　安達さんは、事故で両腕を無くした画家なのです。
　　　　　このように口で筆をくわえて描いているんですね。

「生きる喜び」という所を読む。

発問　　安達さんは　不幸ですか。

「不幸だと思う人」といって挙手させる。簡単に理由も聞く。

発問　　この人は誰だか知っていますか。

乙武洋匡さんの写真を映す。「五体不満足」などの本を示し、簡単に説明して紹介する。

発問　　乙武さんは不幸ですか。

挙手させて確認。

発問　　乙武さんには言われて嫌な言葉があるそうです。それはなんだと思いますか。

順番に言わせる。

説明　乙武さんは、障害者に対して「かわいそう」と言われることがいやだ、と言っています。

説明　　レーナさんもインタビューの中でこう答えています。
　　　　「１つだけ、このスウェーデンで変わってほしいのは、年輩の人が障害者を哀れむこと。
　　　　　かわいそうと思うのは、やめてほしい。」

発問　　どうしてかわいそうと思われるのはいやなのでしょう。

順番に言わせる。

説明　　「五体不満足」のあとがきにこんな言葉があります。
　　ヘレン・ケラーのことばで「障害は不便である。でも不幸ではありません」
　レーナさんはこんな風に言っています。
「私が生きるのに必要な力や喜びは、全て神様が与えてくださることが分かったので、私は「乏しいことはない」のです。だから、神様に「この体どうして治してくれないの」と言って腹を立てたり、恨んだりしたことは一度もありません。いい人生だと思っています。」

発問　　最後に聞きます。障害を持っているレーナさんは、不幸なのですか？

挙手させて確認

指示　　今日の授業の感想を書きなさい。