地焼きにうまみ
仕入れは北勢地域の養殖業者から。「ウナギの味がいいのは養殖一年以上」と大きさにも気を配る。焼き上げる木炭は紀州備長炭。桑名で造られたタマリショウユを使ったタレ。野菜も地元でとれた鮮度のいいものを使う。地元の味にこだわり、開店して十九年五ヶ月。
蒸すのではなく、ウナギを開いた後すぐに焼く「地焼き」だ。表面はカリッと、中は軟らかく、うまみをすべて封じ込めたような味わいが生まれる。
鮮魚店兼仕出し店を経営する父親が、年中ウナギを食べさせる支店を開店したのが始まり。鮮魚店譲りの確かな仕入れルート、魚を知り尽くした料理法が独自の味をしっかり支えている。
十五年前から店を任され、今は独立している。「ウナギは夏に食べるものと思われていたので、初めは苦労しました。しかし、その時我慢したお陰で、専門店としてやって行けるようになりました」と振り返る。
二年前に隣の土地を購入して増築した。しかし、席数はほとんど変えず、以前とほぼ同じ五十二席。「明るく清潔で、値段も手ごろにして、気楽にウナギを食べてもらえる店をつくりたかった」と狙いを語る。肩ひじ張らない雰囲気に誘われて、昼食時は空席待ちの客であふれるほどだ。
2000年9月28日 読売新聞より |