興福寺五重塔
1426年頃再建 和様 世界遺産・国宝 奈良市
730年の創建後、5回の焼失・再建を経ている。日本で2番目に高い木造塔である。
斗(ます)の寸法・間隔と垂木の幅・間隔が整然と連動する六枝掛(ろくしがけ)が成立している
が、丸桁(がぎょう)をできるだけ前へ持ち出して軒の出を深くするために、隅部で本来垂木8本
に対応すべき斗4個を、斗間隔を広げることで垂木9本に対応させている。すなわち垂木のピ
ッチ分だけ丸桁を余分に前へ持ち出している。醍醐寺五重塔で見られた隅部の上下の斗の
位置の不揃いは解消されている。